2月7日(金)に、波佐見町社会福祉協議会の、『食事サービスボランティア講習会』にて、お酢を使ったお料理講座をしました。
『食事サービスボランティア』とは、波佐見町の独居高齢者に、月1回手作りお弁当を宅配するボランティアの方の活動です。その活動の中、年に1回今回のわたしのように、外部から講師を招いてのお勉強会を開催しているそう。
はじめにご依頼が来た時は、わたしなんかにそんな重要な役が務まるのだろうか…と思ったのですが、お酢の使い方のアイディアと、ボランティアの方の年齢層から考えると、少し若いわたしの視点からのアイディアも出せるのではないか、役に立てそうな部分でがんばろう!と、引き受けさせていただいたのでした。
講座の内容は、午前中はわたしが師範料理をしてから、調理実習。試食をした後、座学の時間までとってくださいました。
調理のメニューでは、独居高齢者に向けてのお弁当、ということを踏まえて
●冷めても美味しい
●お吸い物もご自宅で楽しめる
●色合いで賑わいを
●栄養価が高い食材
●消化が良い
●さまざまな食感と調理法
が大事だと、メニュー構成しました。
全てを満たすのは難しいですが、今回は予算内での調理とアイディアの提供をすることによって、お酢料理を身近に感じてもらうこと、今後の料理の際に自由にアレンジして料理の幅が広がった、と思ってもらえること、を目標に挑みました。
15名のボランティアの方が集まってくださいました。みなさん、メモをとられて真剣です。
当日は、15名の方が集まってくださって、わたしの師範の後に、調理してくださいました。
ベテランのみなさま、わたしの拙い師範より、テキパキさくさくと協力してお料理ができていきます。抜群のチームワークでした!
菜の花の肉巻きと、余り野菜も肉巻き。これを蒸して、大根おろしをのせて、合わせ酢をかけていただきます。
できあがったランチセット。お吸い物は、味噌玉で、味噌汁でした。デザートは甘酒バナナスムージーで、とても好評でした。器はもちろん波佐見焼。
食事の後は、座学の時間もとってくださり、川添酢造の紹介や、お酢の作り方、特徴、こだわり、そして食についての活動について、お話しさせていただきました。
みなさん、真剣に聞いてくださいました。ありがたいことです。
みなさま、最後までしっかり話を聞いてくださって、質問もたくさんしてくださり、本当にその活動への真剣に取り組む姿勢に尊敬の念を抱きました。
わたしは、このように講師を受けることがありますが、来てくださる方のほとんどが、わたしより人生も主婦業もお料理も大先輩で、わたしの方が教えていただきたいことばかりです。みなさま、それなのに、キラキラした目で若輩者のわたしの話に耳を傾けてくださることに、胸が熱くなります。
わたしは、自分にできることは、『毎日でも手軽に作れるお酢料理のアイディアをお伝えする』『お酢を使うと美味しい!という体験をしていただく』ことですので、それを全力でお伝えする!そして、みなさまのアイディアや経験や技をたくさん教えていただいています。
今回も、大きな窯で20人分のお米を炊いたのですが、わたしが調理に夢中で浸水時間を忘れていて、少し硬めのお米に炊き上がってしまいました。すぐにみなさまが助けてくださって、お酒を振って、これで蒸したらおいしくなるのよ、と教えてくださいました。
参加してくださる方に尊敬の気持ちで、学びにいかせていただいています。
講座が終わった後に、「最後のお話がとても良かった。参加して、話をきけて良かった」と話してくださった方や、「大学生の孫から、今でも帰ってきたらわたしのご飯が楽しみ、って言われる。小さい頃から保育園の給食を作ってきた自分が子どもや孫に残せたのは、幸せなご飯の記憶だったのかも」と涙ぐんで言われていて、わたしもその方と一緒に涙ぐんでしまいました。
食事って、ただ栄養を摂るためのものではないんですよね。
誰と、どこで、どんな食べ物を、どんな気持ちで食べるか、で、人生が味わい深くなると信じています。
ボランティアでお弁当サービスをされている、この素晴らしいお母様方がいる波佐見町は、幸せだなぁ、と思いました。
幸せな食事の時間、笑顔が増える食事の時間に少しでもお役に立てることを願っています。
参加してくださったみなさま、波佐見町社会福祉協議会のみなさま、本当に素晴らしい機会をありがとうございました。